doublet (ダブレット)が2021FALL/WINTER COLLECTIONをPARIS FASHION WEEK公式オンラインで発表した。
テーマは″ TIME AFTER TIME ″ 時のあとの時。
デザイナー井野野将之は同名のタイムトラベル映画のように、幼少期まで記憶を戻してタイムスリップし、赤ん坊の頃に着てた服、幼稚園に身につけて通っていたもの、小学生の頃に好きだったTV や集めていたシールやおもちゃ、憧れていたアイドルからのインスピレーションとしてコレクションを製作。
コレクションムービーは、実は逆再生の映像。つまり、モデルは皆後ろ歩きをしていたこととなる。この記憶を戻すというデザイン思考をコレクションの演出にも生かした。
そして、昭和の時代、祖父母や親から何度も聞かされていた「もったいない」という言葉を反芻。古着のセーターや裁断クズのウールを再生羊毛として蘇らせたスーツ生地や古着デニムを糸にしてもう一度織ったデニム、日本ではウールの原毛のゴミを取り除く化炭処理と呼ばれる酸とアルカリの溶液を使用する作業が現在はできないため廃棄されてしまう日本の羊毛を化炭処理をせずにワラなども混じりながら織った純国産のメルトン生地、再生ペットボトルで編んだファーコートなど、捨てられてしまう素材が「もったいない」精神から再利用された。
再生羊毛の生地耳には原料の文字が織られ、メルトンには牧場の記憶のアップリケ刺繍、再生ペットボトル生地に施したペットボトル型のボタンなど、リサイクル前の記憶をデザインとして配置。
逆再生のコレクションムービーでは、本来であれば、かっこよく歩けるはずのモデルが後ろ歩きのため、ぎこちなく進んでくる。重機により解体されたものが元に戻っていく。デザイナーは、かっこ悪くとも前に進んでいく、これからの未来に向けた再生の物語をスタートさせた。
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