デザイナー三原康裕が手がける「Maison MIHARA YASUHIRO(メゾンミハラヤスヒロ)」が2023年秋冬コレクションを発表。タイトルは「Imitation Complex」
デザイナーは模倣と本物の間にある曖昧な境界線をコレクションで表現。
コレクションのメインとなるパファーシリーズ。
アイテムの表地と裏地の間に中綿を挟みこむことで生まれる膨張は、古着としても世に多く流通し続けるオーセンティックな存在を対象に固定概念が崩れる瞬間を演出している。
また、今シーズン、ウェアに採用してきたリアルレザーは全てフェイクレザーへと切り替えられた。革靴作りがクリエイションの原点にあたるデザイナーにとって、レザーは慣れ親しんできた素材であり、Maison MIHARA YASUHIROの真髄に触れるレザーワーク“吹き付け
染色”をフェイクレザーに施すことで着古された“本物”さながらの表情を並べる。
シーズンコラボレーションとして、ニューヨークと東京を拠点に活動するジュエリーデザイナー「KOTA OKUDA」のシグネチャー作品であるドル紙幣を取り入れたアイテムを展開。
KOTA OKUDAは現代の資本主義やコモディティー文化と、そこに潜む価値の不透明さを
金融的なモチーフを用いて、錬金術的に表現している。OKUDAのステートメントから金銭
の価値を不確かな存在の一つに捉えることで、Imitation Complexに込めた意味は相乗さ
れていく。
さらに、初期モデルPETERSONのDNAを受け継いだスニーカーPETERSON 23を発表。今回新たに成型したオリジナルソールでは従来より厚みが倍増しており、一見不自然に歪んだ形状をあらわにする。長年培ってきた知と技の断片をもとに、Maison MIHARA YASUHIROらしい物質的かつリアルな表現への追求がコレクションを通して視覚化された。
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